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巨人を退団した村田修一内野手(36)が24日、神奈川県内で行われた球団の納会ゴルフに参加し、チームメートに別れを告げた。
ゴルフでは、同じ松坂世代で今季で退団した実松一成捕手(36)、杉内俊哉投手(37)らと同組でラウンド。グロス86(ハンディキャップ14・4)で総合優勝を飾った。他球団のオファーを待つ大砲は、現役続行に改めて強い意欲。またゴルフの後に、納会も静岡・熱海市内のホテルで開かれた。
村田は、同じ時代を戦い抜いてきた仲間とともに、心の底からゴルフを楽しんだ。ラウンドでは朝一番の組で、杉内、実松、元巨人選手の入野1軍サブマネジャーの松坂世代で回った。終了後「リフレッシュできました。昔からの仲ですし、この球団へ集まってきて、最後楽しかったですね」と笑顔。ゴルフではグロス86で優勝。納会で表彰を受け、有終の美を飾った。
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それでも、話題が現在の状況に移ると険しい表情をのぞかせた。10月の戦力外通告から、いまだに他球団からのオファーはなし。獲得に難色を示す球団もあることに「1か月以上待って連絡が来ていないわけですから。若手育成という球団も多い。プロに入るのも運とかタイミングがある」と話した。
現在は自主練習を行いながら、連絡を待つ。「ちょっとずつ体は動かしてますけど、なかなか次が決まらなくて、気持ちも体も動いてこない。(決断の)期限は決めていない」。他球団の春季キャンプでのテスト受験も視野に入れながら、オファーがあるまで、トレーニングを継続していく。
納会ゴルフの最終ホール(パー4)で約6メートルの距離からバーディーパットを沈め、両手を挙げてこん身のガッツポーズ。「まだ持ってる!」と自らに言い聞かせるように叫んだ。「やってほしいと言われるところがあれば。野球を、まだしたい。やっぱり、現役にこだわっていきたい」。もう一度輝ける場所へ。改めて、現役続行へ強い決意をにじませた。
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24番高橋由伸、26番内海哲也……あれ、25番が飛ばされてる?
勤労感謝の日、巨人ファンフェスタが行われた東京ドームのグッズショップでは、すでに「25番村田修一」の背番号キーホルダーや背番号入りリストバンドが商品棚から消えていた。
本当に村田さんは巨人を去ってしまうんだな……。
あらためてムラタロスを噛みしめる厳しすぎる現実。
先日は、若手の岡本和真が来季は「38」から背番号25をつけるというニュースもあった。もちろん自分も数少ない和製大砲候補の岡本には活躍してほしい。けど、焦り過ぎだ。
一軍でしっかり結果を残してから、誰もが納得する形での番号継承では駄目だったのだろうか?
プロスポーツでは会社があまりにイチ選手をパワープッシュすると、ファンが乗り切れず逆に引いてしまうことが多々ある。誤解を恐れず書けば、今季一軍で打率.194、0本塁打と何もできなかった21歳野手に、そこまで過剰な期待をしなければならないくらい今の巨人は追い込まれているということだ。
11年ぶりのBクラスに終わった2017年の巨人のチーム状況は、5位に沈んだ1979年と似ている。
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当時のオーダーを見ると柴田勲35歳、高田繁34歳、王貞治39歳とV9時代の主力陣が高齢化。長年エースを務めた31歳堀内恒夫もわずか4勝でリーグ5位の58勝62敗10分と低迷。まさに原政権のリーグV3時代を支えたベテランたちが軒並み衰え、チームとしてひとつのサイクルが終わった現在の状況と非常に近い。
43歳の青年監督・長嶋茂雄が20代のニューリーダー中畑清、新エース江川卓、ドラ1キャッチャー山倉和博を中心にチームの再構築に乗り出したところも、来年4月で43歳になる由伸監督のもと坂本勇人、菅野智之、小林誠司を軸に再スタートを切ろうとしている2017年と驚くほど同じである。
そして38年前のオフも、長嶋巨人連覇に貢献した主力打者の張本勲が打率.263、8本塁打という成績で静かに巨人を去った。
歴史は繰り返す。
どこかデジャヴ感のあるこの光景。
古くは張本や落合博満から、広澤克実、清原和博、小久保裕紀、イ・スンヨプ、アレックス・ラミレス、小笠原道大まで。
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巨人に移籍してきたスラッガーは力が緩やかに落ち始めたらほとんどが放出され、最後は他球団で現役を終えている。誰かが来たら、代わりに誰かが弾かれる。プロ野球の悲しいリアルと言ったらそれまでだが、移籍組では球団史上初めて選手会長まで務めた村田なら、この悪しきジンクスを終わらせてくれるのではと期待するも、そうはならなかった。
村田の今季成績は118試合で打率.262、14本、58打点。
阿部慎之助の129試合、打率.262、15本、76打点と打席数や守備力の差を加味したらほとんど同等の成績と言っても過言ではないだろう。
しかしプロ野球も一般企業も、生え抜きには甘く、外様には厳しい。
転職は慎重に……。
ただでさえ給料も高いFA移籍組や助っ人外国人は周囲を納得させる圧倒的な結果が必要だ。チームが優勝するか、個人で文句なしの成績を残すか……。残念ながら、2017年の村田はそのどちらでもなかった。
振り返ると、わずか1年前。
村田は打率.302、25本、81打点という堂々たる成績を残し、さりげなくチームぶっちぎりトップの21個の芸術的ゲッツーを記録し、三塁手ベストナインとゴールデン・グラブ賞に輝いている。
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ガチの実力と笑いの要素を併せ持つミスター・エンターテインメント。
しばらくは巨人のサードは背番号25で大丈夫と思ったら、1年後にまさかの自由契約だ。
野球選手も、人生も先のことなんて分からない。
リストラなんて自分は絶対に大丈夫? そんなことはない。
誰だって歳は取る。
栄光の“松坂世代”屈指のスラッガーも12月で37歳。まだできる。若い奴らには負けない。それでも年齢を理由に切られてしまうことは多々ある。グラウンドでも合コンでも、時間の経過とともに減るチャンスの数。
これは他人事ではない。
俺ら自身の物語でもあるのだ。
村田修一は現代のロッキー・バルボアだ。
なぜ野球ファンはここまで村田修一に魅かれるのだろうか?
それはこの男が誰よりも共感できる濃厚な“ドラマ性”を持っているからだと思う。
巨人移籍後はフル出場を続けて、リーグV3に貢献しても物足りないとディスられ、素晴らしい結果を残したのに助っ人のマギーを獲得され、チームは若手のホープ岡本をパワープッシュしてくる。
常に逆風。
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その度に肉体を武器にして己のバット一本で生き残ってきた。まるで殴られても殴られても立ち上がり、不屈の闘志でまた相手に向かって行くボクシング映画『ロッキー』である。
ちなみに村田の死球数150は現役最多だ。
恐らく多くの社会人は「なんでもっと評価してくれないんだ」と思いながら、日々仕事をしている。
少なくともサラリーマン時代の自分はそうだった。
給料はほとんど上がらないし、なんであいつが出世するんだなんて同僚と愚痴りあう。冗談じゃないよ、俺をもっと使ってくれと。結局、何もしようとしない己へのエクスキューズの数々。
あれは虚しいもんだ。
20代の燃えるような情熱が、30代になるとやがて諦めへ。俺たちもう終わっちゃったのかなあ……って時に球場で出会ったのが、どんな状況でも逃げずに賛否のステージに立ち続けるベテラン村田さんだった。
ここ1〜2年、東京ドームで背番号25に対する声援と拍手が急増していた。
ファンフェスタでも多くの25番ユニのファンが東京ドームの村田の巨大壁画前で記念撮影。
そん彼が、なぜ今日ここにいないのか?
チームの世代交代に若返り。
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理屈は分かる。
けど、理屈や数字だけじゃ語れないのがプロ野球なのである。
いつの時代も、野球ファンは球場にロジカルの向こう側を観に行く。感情と言ってもいい。大げさに書けば、選手の「人生」や「生き方」みたいなものだ。
たぶん、多くの観客は背番号25がプレーする野球だけを追っていたのではない。
村田の背中にアラフォー男の生き様を見ていたのだろう。そういう選手は今の球界では貴重なはずだ。
まるでリング上のロッキーのように、今度も必ず……。
最近のスポーツ新聞では、各球団の“村田獲得見送り”という記事が出続けている。
でも、大丈夫だと信じてる。
これまでもずっとそうだったから。
「村田はもう終わり」「もう無理」……そう言われる度に、この男は愚直に這い上がってきた。そう、まるでリング上のロッキー・バルボアのように。
だから、今度も必ず――。
終わらない男、村田修一の吉報を待とうと思う。
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巨人から戦力外通告を受け、他球団での現役続行を目指している村田修一(36)の行き先がなかなか決まらない。24日の球団納会に出席した際に「難しい立ち位置。現役続行を探りながら待っている状況。まだ野球がしたい」と漏らした表情は暗かった。
昨季は本塁打、打点でチーム2冠。新外国人のマギーに三塁を奪われた今季も、夏場からマギーが二塁に回り、共存することで、三塁のポジションを取り返した。今季は打率.262、14本塁打、58打点。昨季ゴールデングラブ賞を獲得した堅実な守備もあって、争奪戦になるともっぱらだった。それが、可能性があるとみられていた球団が次々とベタ降りしているのだ。
古巣DeNAの高田GMが「三塁には首位打者の宮崎がいるし、一塁にもロペスがいる」と獲得を否定したのを皮切りに、ロッテ、ヤクルト、濃厚とみられていた楽天も、星野球団副会長が「若いのが育っているし、興味あるけど興味ない」と発言。
22日には西武の渡辺SDが「ウチはない」とキッパリ言った。中日は完全に否定はしていないが、若手の育成を理由に、こちらも乗り気ではない様子。さる球界関係者がこう言う。
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「可能性があるとすれば、DH制のパの方が高い。ただ、日本ハムは一塁手のゴールデンルーキー清宮が入団し、三塁のレアードと一塁の中田が残留するため、獲得に乗り出すことはまずない。同い年の小谷野が打率.277だったオリックスもあるが、村田は福岡出身。浮上しているのは地元のソフトバンクです。三塁に松田、一塁に内川がいる日本一のチームながら、右の代打が補強ポイント。代打要員としてなら可能性はありそうです」
ソフトバンクは層が厚い日本一のチーム。あと135本に迫った2000安打の野望があるだけに、本音を言えば、出場機会が多いチームがいいに違いない。ただ、春季キャンプのテスト受験も視野に入れているというから、背に腹は代えられない。最後は「地元枠」に救われるかもしれない。
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